女は泣いた
相談というか愚痴をよく受ける
大半電話。
イヤホンで聞きながら
Twitterしゅこしゅこしながら
相談に乗っている。
乗るというか、聞いている。
うんうん、と話を聞いている。
うんうん×5
◯◯は悪くないよ×2
そうか、辛かったな×1
のローテーションでどうにかなる。
自分の中の決め事として
二年前くらいから
他人の恋愛ごとに干渉しないようにしようと決めている。
散々泣き喚いて
「別れた。あんな男最悪!殺したい!」
と言っていたのに
二週間したら
「8ヶ月記念日♡いろいろあったけどこれからもずーっと一緒♡」
みたいなツイートをしている。
他人のために力を尽くすのはいいことだが
恋愛ごとに限っては別だ。
肩を入れるだけ損する。
昨日の女の相談ごとには
少し揺れた。
やはりこういう場合にも叙情的な表現をする女は惹かれる。
『別に寂しいとかじゃないけれど
まだ癖が抜けなくて
別に悲しいとかじゃないけれど
まだベッドを半分空ける癖が抜けなくて
これから冬になるでしょ。
肌寒くなるでしょ。
誰でもいいからってなりそうで怖い。』
と泣きながら女は言っていた。
「良いんじゃない、誰でも」
と答えた。
多分今の彼女にとっては
誰か一人を愛して裏切られることの方が
いろんな男に抱かれることよりも
傷が深くなる、と感じた、けど、
多分彼女はまだ彼を引きずるだろう。
女を泣かせるのは
一番嫌いで一番好きな男
のせいなんだなぁ、とぼくはおもいました。
おしまい。