どうしても
勝てない人はいる。
過去の人だ。
越えられないからだ。
思い出に浸るために恋愛をするんじゃないかと思うことすらある。
ふと香るキンモクセイの柔らかく暖かい匂い
橙色と紫に染まる夕焼けの鮮やかさ
TSUTAYAで流れてきた好きだった曲
軽やかに香るガムのミントの味
違う人に触れたからこそ知るあの人の唇の柔らかさ
五感全てを刺激して、痛烈に記憶を蘇らされることがある。
あーあの人だったらこうするのにな
あの人だったらこんな言葉かけてくれるのにな
そんなことを思われた瞬間に、僕らは勝てない。
男はまだいい方だ。
感覚の記憶力というのは
圧倒的に女性の方が高い。
香水の香りでその人を思い出す、という話をたびたび聞く。
そんなことばかり聞くから、
他の男と比べられるのはごめんだ、と思い
僕は女物の香水をつけている。戦略的措置だ。きもいとか言わないでくれ。
女の子の悩みでよく聞くのが
というお悩み。
んー。
男と女の相違で一番難しく、一番交わらない点だろう。
男:恋→愛→SEX
女:恋・愛・SEX
なんだろう。SEXまでいってしまえば、もう最上級、というのが男。
恋するときめきも、愛する心地よさも、SEXの欲も、同時に存在するのが女。
わかってもらえないのが、つらいところだけどね。
愛する振りがヘタクソな男に、女の子をもてあそぶ資格なんてないよ。
もてあそんでる自分に酔ってる男なら、なおさら。
一つだけ、耳にしてとても悲しくなった言葉。
『抱ける女が、抱けなかった女に勝てるわけないですよね。』